私は、間違っていた。
NLPコーチングプラクティショナーで
【 相手を無条件で信じること 】 がコーチという存在だと学んだ。
そして、私の夫・NLPの仲間・友が私を信じてくれたからこそ
私もまた己を信じることができた。
同様にこの 【 相手を無条件に信じること 】は、
私が代表をしている劇団凪でも通じるものだと確信していた。
ところが、ふたを開けてみると…。
私は、自ら立ち上げた劇団に集う仲間を、全く信じてはいなかった。
いや、 【 頭 】 では信じていた。
共に舞台を創る仲間として、皆で舞台を成功させたいと心底思っていた。
そのために私は、今までになく熱心に稽古をつけていた。
【 皆で舞台を成功させたい 】その一心で。
以前、私は凪の役者に向かってこう言ったことがある。
【 あなたが、目標を達成することを私は知っている 】って。
今思えば、ずいぶん、上から見下していたもんだ。
しかし、その時はその思いが 【 信じている証 】だった。
それから数ヶ月に渡り、その役者に向かって私の口から出てくる言葉と言えば
【 違うわよ!そうじゃないでしょ? 】
【 なんで?こないだも同じダメ出しを言ったじゃない!? 】
【 客観的に自分を見なさいよ! 】
凪の稽古から笑い声が消えた。
その役者は、次第に 【 委縮 】し、自分の芝居ではなく
私が要求する芝居に応えるので精一杯になってきていた。
が、私にはそんなの全く気付かなかった。気付けなかった。
皆で舞台を成功させたかったから。そのための稽古だと思っていたから。
そして遂に、ある役者から言われた。
【 座長は、誰も信じてない。】
ドキッとした。
その役者が続けて言う。
【 座長は、誰も信じてないし、誰のことも見ていない。
見ているのは、自分の劇団を成功させたい。ただそれだけ。
役者を自分の駒だと思ってる。しかも 『 バカな駒 』だってね。】
何も言えなかった…。
何も言えなかった…。
NLPコーチングプラクティショナーで学んだ
【 無条件で相手を信じる存在がコーチだ 】って。
あれ?どこで道を間違えた?
あれ?私が信じていたのは何?
【 無条件で相手を信じる存在がコーチ 】
あぁ~、わかった…。
私は、無意識に役者達にこう言っていたんだ。
【 私があなたを無条件で信用出来得るだけの条件を見せて 】って。
私は、間違っていた。
何をもって信じるかではなく、もう【 すでに足りている 】ということを知ればいいんだ。
そして、その人が、すでに全てを持っていることに気付いていないところを
引き出してあげたらいいだけなんだ。
そう思った瞬間、すごく呼吸が楽になった。
そして、もう一つ気づいたこと。
【 舞台を成功させたい 】の各役者の基準。何をもって 【 舞台の成功 】 とするか。
先日の稽古で一人一人に聞いてみた。
すると、一人一人の全く異なる 【 舞台の成功 】が出てきた。
今まで、私の思う舞台の成功が、みんなの成功であると思っていた。
違うんだな。
そんな当たり前のことに何故今まで気付かなかったのか。
私はこれから、演出として、座長として、
役者一人一人の思う『 成功 』を掴めるよう
その人が気付いていない【 足りている部分 】を
引っ張り出してあげられるだけのスキルが私には必要だ。
素晴らしい気付きと学びだった。仲間に深い感謝。
今頃だけど(笑)